結論から申し上げますと、犬・猫アレルギーを治すことは出来ません。(2018年現在)
しかし、症状を抑えペットとの生活を続ける事は可能です。
こちらの記事では犬・猫アレルギーを抑える方法を紹介したいと思います。
Contents
犬・猫アレルギーの症状
犬・猫アレルギーでは、以下の症状が現れやすいです。
【目の症状】
痒み、充血
【鼻の症状】
鼻水、鼻詰まり、くしゃみ、
【喉の症状】
咳、イガイガ感、異物感、呼吸困難、喘息
【皮膚】
蕁麻疹、痒み、赤み、腫脹
稀にアナフィラキシーショックなどの重篤な症状が現れる事があります。

重篤なアレルギー症状が現れた場合には、アレルギー科やアレルギー専門医が在籍している医療機関を受診してください。
もし近場にアレルギー科が無い場合には、近場の病院に「アレルギー症状が出た」と伝え診察が可能か確認した上で 受診しましょう。
犬・猫アレルギーの原因
犬・猫アレルギーの原因は犬や猫から分泌されるタンパク質(アレルゲン)です。
犬のアレルギー反応誘発物質は「Fel d1」
猫のアレルギー反応誘発物質は「Can f1」という名前で知られています。
皮膚、フケ、唾液、肛門から分泌される体液等に、アレルギー反応誘発物質が含まれており、それらが肌に触れる、粘膜に付着する、体内に入る事によりアレルギー症状が現れます。
そのアレルギー症状、犬や猫が原因ではないかもしれません
アレルギーには、犬・猫アレルギー以外にも様々な種類が存在します。
検査を行ってみると
「猫アレルギーだったと思ったら、実はハウスダストのアレルギーだった」
「花粉症だと思っていたけど、犬のフケが原因の犬アレルギーだった」
と言う事も珍しくありません。
アレルギーかな?と思った時には、医療機関で検査を行ってもらいましょう。
アレルギー検査が可能な医療機関
犬・猫アレルギーの検査は
- 内科
- 耳鼻科
- 皮膚科
- アレルギー科
等の医療機関で行うことが出来ます。
内科、耳鼻科、皮膚科では検査終了後に、アレルギー科の受診を勧められることもありますので最初からアレルギー科を受診する方が、手間と医療費を節約できます。
アレルギーの検査費は、症状が既に出ていれば保険が適用され5000円程になります。
症状が出ていない状態では保険が適用されず、10000円前後(病院によって変わります)の検査費が必要になります。
病院に行くのが面倒だと感じる方は、セルフ検査キットなどを使って検査を行うのも良いかもしれませんね。
[郵送検査キット]室内ペットアレルギー検査3項目(イヌ皮屑、ネコ皮屑、ハウスダスト)【ペットアレルギーリスクチェック】
病院では2種類の治療が可能
繰り返しになりますが、現在アレルギーを完治させる事は出来ません。
ただ、アレルギー科などの医療機関を受診しアレルギー症状を抑える事は可能です。
こちらでは、犬・猫アレルギーの一般的な2つの治療法について紹介致します。
アレグラ等を使った、抗アレルギー薬の投薬治療
花粉症のお薬として知られている「アレグラ」やノラタジンなどの抗アレルギー薬を服用する事で、アレルギー症状を抑えることが出来ます。
犬・猫アレルギーは花粉症と同じI型アレルギーに分類される為、同様のお薬が有効なのです。
抗アレルギー薬は、アレルギー症状が認められる際に医療機関で処方して貰えます。
抗アレルギー薬の月あたりの費用は大体3000円を少し上回る程度です。
ジェネリック医薬品を選べば、更に費用を抑える事が出来ます。

「同じ有効成分」を持ちながら価格が安いお薬です。
開発費用が掛からない事が、安さの理由になっています。
厳しい試験に合格しないと、発売が許可されないので安全性もバッチリです。
減感作療法
アレルゲンを少しだけ体内に取り込み、アレルギー症状を落ち着ける治療法です。
また減感作療法にも2種類の方法があります。
【注射による減感作療法】
アレルゲンを含んだ注射液を、注射する療法になります。
薄い濃度から徐々に濃い濃度へ移行し、アレルギー反応を抑えます。
開始から4~6ヵ月は週に1度の注射を行い、それ以降は徐々に間隔を開け最終的には月に1度の注射頻度に至ります。
3年以上の継続が必要だと言われており、治療を行える施設も限られています。
通院の多さ、注射の痛みから効果が出ないまま療法を中断される方が多いです。
計画性、根気が必要になる療法です。
【舌下免疫療法】
アレルゲンを含んだエキスを、舌の舌に垂らし2分ほど維持する方法になります。
欧米で行われる舌下免疫療法は、基本的に舌下免疫療法です。
開始から4週間は毎日実施する必要がありますが、それ以降は週に1度の実施になります。
病院ではなく家で行うことが出来ます。
ただ、1ヵ月に1度程度の定期的な通院が必要になります。
ダニアレルギーや、花粉症に対し舌下免疫療法が保険適用になる事もあるのですが、病院によっては犬・猫アレルギー治療に舌下免疫療法が保険適用され無い事もあります。
舌下免疫療法を希望する方は、受診する予定の医療機関に以下の2点を問い合わせましょう。
- 舌下免疫療法を実施しているか
- 保険が適用されるか
欧米では主流の治療法ですが、日本では実施している場所が少ないので上記2点を確認した上で受診する事をオススメします。
東京で舌下免疫療法を受けたい方はコチラ
名古屋で舌下免疫療法を受けたい方はコチラ
大阪で舌下免疫療法を受けたい方はコチラ
札幌で舌下免疫療法を受けたい方はコチラ
犬・猫アレルギーの症状を抑える5つの方法
こちらでは犬・猫アレルギーの症状を抑える方法について紹介しています。
上記の項目で2種類の治療法を紹介しましたが、即効性がない治療法が多いので少しでも症状を抑える為に以下の知識を参考にして下さい。
ブラッシング・シャンプーの回数を増やす
ブラッシングの回数を増やすことは、抜け毛の散布量を減らす事に繋がります。
シャンプーの回数を増やすと、アレルゲンを洗い流す事が出来ます。
アレルギー症状を抑えるのに、上記2点は非常に役立ちますので以下の回数を参考に、ブラッシングとシャンプーの回数を増やしてみましょう。
【シャンプーの回数目安】週に1度
【ブラッシングの回数目安】最低でも朝昼晩1回ずつ、抜け毛が多いと感じた時にも
部屋の掃除を徹底的に行う
部屋の掃除を怠ると、犬や猫の体毛・フケが部屋に残りアレルギー症状が出やすくなってしまいます。
こまめに掃除機、粘着カーペットクリーナー(コロコロですね)をかけるなどして、アレルゲンを減らしましょう。
【体毛やフケなどのアレルゲンが溜まりやすい場所】
- 絨毯やカーペット
- ソファーの隙間
- 畳の隙間
- 窓の周辺(特に猫を飼っている場合)
- 犬・猫のお気に入りの場所
基本的に、体毛やフケは床に落ちている事が多いので、こまめな掃除を心がけましょう。
毎日掃除を行うことが理想ですが、難しい場合には3日に1度でも良いので定期的な掃除を行ってください。
空気清浄機
アレルギーに対応した空気清浄機を利用する事で、空気中のアレルゲンを減らすことが出来ます。
犬や猫がそばにいない時にも表れる鼻水やくしゃみ、目の痒みなどの症状に効果があります。
空気清浄機の選び方がわからない人は、アレルギーに対する評判の良い以下の3つから、選ぶと良いでしょう。
【SHARP高濃度プラズマクラスター7000「KC-G50-W」】
【パナソニック 加湿空気清浄機 ホワイト F-VC70XP-W】
フードの種類を変えてみる
オメガ3脂肪酸と呼ばれる成分が配合されたペットフードを購入すると、抜け毛やフケが少なくなりアレルギーを抑える事が出来ると言われています。
犬・猫の健康にも繋がるので、余裕がある人はペットフードを変えてみましょう。
お気に入りのフード以外は食べないという場合には、無理に変える必要はありません。
【オメガ3脂肪酸が配合されているペットフード】
・カナガンドッグフード
・ナチュロル(ドッグフード)
・カナガンキャットフード
アレルギー症状が出にくい犬種・猫種を選ぶ
これから犬・猫を飼おうと思っているけどアレルギーの可能性がある人は、アレルギー症状が出にくい種類を選びましょう。
アレルギー持ちに優しい犬種

- トイプードル
- シーズー
- ヨークシャーテリア
- マルチーズ
- ミニチュア・ピンシャー
これらの犬種は抜け毛が少なく、フケの量も少ない為、他の犬種と比べるとアレルギー症状が軽い傾向にあります。
それでも、ブラッシングやお風呂、掃除などは欠かせません。
あくまでも、他の犬種に比べてアレルゲンが出にくいだけです。
アレルギー持ちに優しい猫種

- ロシアンブルー
- ベンガル
- スフィンクス
- サイベリアン
- デボンレックス
猫種の中で、アレルギー症状が軽い傾向にあるのは上記の猫種です。
抜け毛が少ない、体毛が薄いなどの理由で選ばせて頂きました。
スフィンクスは殆ど無毛の猫種ですが、体毛がない分家具や衣類に皮脂が付きやすいです。
皮膚のケアを丁寧にしてあげると、最もアレルギー症状が軽い猫になります。
犬・猫以外の動物を飼育するもの1つの選択肢
アレルギーは必ずしも抑えられる疾患ではありません。
人によってはどれだけ治療を行っても、どれだけ掃除を行っても症状が収まらないことがあります。
犬・猫のアレルギーから逃れられないと思った時には、他の動物の飼育を考えて下さい。
水生動物、爬虫類などのアレルゲンを殆ど持たない動物を飼育するのも良いと思います。
無謀に犬や猫を飼い始め、
「アレルギーが出たので、里親に出します」
「飼えなくなったので、保健所に連れていきます」
と軽率に手放す飼い主は非常に多いです。
(ジモティー等を見ると、自分勝手な飼い主の投稿が山ほどあります。)
犬や猫に拘らずとも、ペットの選択肢は沢山あります。
自分が最後まで命を見届ける事の出来るペットを家族に迎えてあげて下さい。
きわめて短い時間の内に、全身性のアレルギー症状が出る反応です。
血圧の低下や意識障害が引き起こされることが多く死亡例もあります。