猫をお風呂に入れようとして、暴れてしまって大騒ぎ。
猫を飼ったことのある人であれば、1度は体験しているのではないでしょうか。
今回の記事では、お風呂が大嫌いな猫でも思わずリラックスしてしまうような魔法の入浴法を紹介したいと思います。
猫が暴れてお風呂に入れるたびに疲労困憊になってしまう人は、次のお風呂にこの記事で得た知識を活かしてみましょう。
Contents
猫のお風呂はとにかく大変!
「猫=お風呂が嫌い」というイメージが世間に定着するほど、猫はお風呂を嫌う個体が多い傾向にあります。
浴室のドアを開けただけでも逃げてしまう猫もいる程です。
猫の体を清潔にするためにも、毛並みを整える為にもお風呂に入れてあげたい。
でもお風呂に入れるたびに大暴れしてしまう。
どうして猫はこんなにもお風呂を嫌がるのでしょうか?
猫がお風呂を嫌がる理由とは
猫がお風呂を嫌がる理由は、猫の先祖である「リビアヤマネコ」の生活に大きく関与しています。
リビアヤマネコはアフリカの砂漠地帯に生息していました。
砂漠は日中は暑く夜は寒い温度差の激しい地域なので、水に濡れて体温調整が難しくなる状況を避けて生きていました。
もしも体毛が濡れたまま夜を迎えてしまうと、体温が奪われてしまい死に直面する可能性もあります。
「水に濡れる事=危険」という記憶がDNAに深く刻まれている為、ほとんどの猫が水を苦手とする傾向にあるようです。
また、猫は自分でグルーミングをすることが出来るのでお風呂に入らずとも清潔でいることが出来るのです。
猫をお風呂に入れるのは飼い主としての義務
人間が猫を飼っているのであれば、必ず猫をお風呂に入れる必要があります。
お風呂に入れないと、人間に感染症が移ってしまったりノミが繁殖してしまったりと様々なトラブルが発生します。
猫の寿命にも直結する要因でもあるので、猫を飼っている家庭では必ずお風呂に入れるように心がけてください。
猫をお風呂に入れないと、どうなってしまう?
もし、猫をお風呂に入れないとどうなってしまうのでしょうか。
猫をお風呂に入れなかったときに想定できるトラブルは以下の3つです。
- 皮膚病が発症してしまう
- ノミや毛じらみが湧く
- 獣臭が家に沁み付く
まず一番気を付けたいのが皮膚病です。
お風呂に入れずに、汚れが貯まり細菌やカビが繁殖しやすい環境が出来てしまうと菌類が皮膚にコロニーを作ってしまい皮膚病が発症することがあります。
皮膚のストレス,痒みのストレスなどにより毛が抜けたり免疫力が低下したりと、猫の寿命に関わる悪影響が現れます。
次に気を付けたいのがノミや毛じらみの生息。
完全室内外の猫ちゃんであれば、あまり心配のない要素なのですが外にお散歩に行く猫ちゃんや、外で過ごすことが多い猫ちゃんは要注意!
野良猫との接触や、雑草などからノミや毛じらみ(ネコハジラミ)があなたの愛猫にくっつくことがあります。
一度ノミや毛じらみが湧いてしまうと、愛猫の虫駆除は勿論部屋全体の清掃が必要になったりと大変な目にあってしまいます。
3つ目の獣臭に関しては、猫の健康面にかかわる話ではありません。
獣臭が染みついてしまうと、賃貸に住んでいる方の場合だと退去時に壁紙の張替費用を負担する必要が出てきます。
余りにも強い獣臭が染みついてしまうと不動産の価値が下がってしまいます。
家においてある服にも、猫の匂いがついてしまう可能性があります。
獣臭については気にしないという人もいるかもしれませんが、皮膚病と虫系は避けなければいけないトラブルなので定期的にお風呂に入れる必要があるのです。

猫をお風呂に入れる前の準備
猫をお風呂に入れる前にしておきたい準備について紹介します。
準備を怠ると、今まで通り猫が暴れてしまいお風呂に失敗してしまうことがあります。
猫にお風呂好きになってもらうためには、しっかりとした準備が必要なのです。
用意するもの
こちらの項目では、猫をお風呂に入れる時に必要なものを紹介します。
- 猫用のタオル
- 猫用シャンプー
- ご褒美のおやつ
猫用のタオルは、入浴後体毛を乾かす時に使用します。
お風呂に入れる数日前から猫に匂いを嗅がせておくことで、警戒心を解くことが出来ます。
人間用のシャンプーで猫を洗ってしまうと、洗浄成分が強すぎて猫の体毛がバサバサになってしまいます。
皮膚にも悪影響が出るので、猫用の低刺激シャンプーを用意しましょう。
お風呂がまだ好きじゃない猫にとっては、入浴自体が嫌な時間なので頑張ったご褒美としておやつを用意しておきましょう。
猫の体調もしっかりと確認しよう
まだお風呂が好きじゃない猫にとっては、入浴は大きなストレスです。
水にぬれる習慣がない猫にとって、水は怖い物なので体調が悪い時にお風呂に入れてしまうと体調を大きく崩してしまう可能性があります。
お風呂に入れる前に、熱はないか,皮膚に異常がないかどうかを確認しましょう。
予め耳掃除をしておくことで、もし猫の耳の中にお湯が入ってしまっても中耳炎を予防することが出来るので、耳掃除は必須です。
浴槽とお湯に慣れる
まずは桶にお湯を溜めた状態で、猫を浴室に呼びましょう。
お風呂が苦手な猫は浴室に居ることを嫌うと思うので、無理やり連れてきても大丈夫です。
浴室に猫を連れてきたら、いつも通り過ごしてあげてください。
おもちゃで遊んであげるのも良し、撫でてあげるのも良し。
飼い主さんも、本を読んだりスマホをいじったりと自然体に過ごしてください。
たまにおやつをあげたりして、猫の緊張を解いてあげてください。
上記の項目を1日に30分~2時間ほど実践して下さい。
これらの行動を一週間ほど毎日の習慣として繰り返すことで猫の中にある「浴室が怖い」というイメージが少しずつ薄れます。
桶にお湯を常に貯めておくことでお湯に対する警戒心も少しは薄れます。
どんなに上手な入浴法を実践しても、浴室とお湯に慣れていないと猫は強いストレスを感じお風呂を好きになることは無いので、時間がかかる準備ですが浴室でくつろぐという習慣を実践して下さい。

猫がお風呂好きになる魔法の入浴法
それでは早速、猫がお風呂好きになってしまう魔法の入浴法を紹介したいと思います。
1.シャワーで全身を濡らします。
人間が触って、少し温いと思う温度(37度ほど)で猫の全身を濡らします。
神経が少ない首からお湯をかけ、尻尾に向けて上から濡らしていきます。
勢いが強いと、猫が驚いてしまうので優しくシャワーをかけてあげましょう。
体を濡らした後には、我慢したことを褒めてあげましょう。
2.猫用シャンプーで体を洗います。
猫用シャンプーで、猫の体をマッサージするように洗います。
目は耳にシャンプーの成分が入ると炎症の原因になるので、体だけを洗いましょう。
洗いながらも誉め言葉をかけたり、撫でてあげたりと猫のケアをしてあげます。
3.すすぎ
シャンプーが残らないようにしっかりとすすぎます。
すすぎながら、猫の怖い思いを紛らわすために顔の周りを撫でてあげましょう。
4.タオルドライ
猫が風邪をひかないように、猫が匂いに慣れているタオルでしっかりと乾かします。
ごしごしと擦るのではなく、毛を撫でるように包み込んであげましょう。
5.ドライヤーで乾燥
タオルドライである程度の水分を取った後は、ドライヤーを使って乾かします。
大きな音は猫が怖がってしまうので、弱めで。
ドライ中にも猫は落ち着かないと思うので、大好きなおやつを与えながら乾かしましょう。
6.ご褒美タイム
頑張ってお風呂に入った猫にご褒美をあげましょう。
おやつでも良いですし、目いっぱい愛でてあげるのも良いでしょう。
猫が我慢して良かった、お風呂に入ってよかったと思えるようなご褒美を与えましょう。
魔法の入浴法のポイント
上記で紹介した、猫がお風呂好きになる入浴法には1つのポイントがあります。
それは「猫にとってのメリット」を用意することです。
本来、猫にとってお風呂は恐怖の時間。
大嫌いな水に触れて、全身をびちゃびちゃにされる苦痛の時間です。
猫にとってデメリットしかないので、好きになるはずもありません。
しかし、今回の入浴法には所々猫が嬉しいと思うポイントを挟んでいます。
撫でてあげたり、おやつをあげたり、ご褒美が貰えたり。
今まで嫌だった時間に、そういった嬉しいポイントが挟まれると猫も学習し「お風呂=良い事が起こる」と認識します。
学習するまでに時間はかかると思いますが、根気よく続けることで猫がお風呂に抵抗を無くなりお風呂が好きになる日が来ると思います。

猫がお風呂好きになるためには根気が大切
どんなにお風呂が嫌いな猫でも、お風呂に入ることで良いことがあると学ぶことでお風呂に対する恐怖心は和らぎます。
むしろご褒美が貰える時間だという認識に変わり、お風呂に入ることが好きになる猫も居ます。
今回紹介した方法は、事前準備に時間がかかるので少し手間がかかります。
それでも、猫のお風呂に対する恐怖心を和らげストレスを減らすことが出来れば労力も減りますし、猫にとっても飼い主にとってもメリットがあります。
子猫のうちから、この方法を実践することが出来ればお風呂に抵抗のない猫に育つはずです。
もちろん子猫でなくとも成猫でもお風呂に慣れさせ、好きになってもらうことは可能です。
続けるためには根気が必要ですが、お風呂好きになって貰うために頑張ってみませんか?