パルボウイルスから猫を守ろう!感染経路、症状、治療法まとめ

現在、TwitterなどのSNSで話題になっている「パルボウイルス」。
猫カフェで蔓延したという事で、非常に危ないと注意喚起されていますが感染時の詳しい症状について知らない人が殆どです。
そこで今回の記事では、パルボウイルスについての基礎知識と対策法について紹介したいと思います。

パルボウイルスとは

驚いている猫の画像
パルボウイルスは非常に感染力が強く、生活環境中に長く生存し、一般的な消毒薬では死滅しない非常に厄介なウイルスです。
パルボウイルスは「猫汎白血球減少症」という病気を引き起こします。

※猫汎白血球減少症とは
猫がパルボウイルスに感染する事で引き起こされる症状の名前です。

パルボウイルスに感染すると次のような症状が現れます。

  • 症状1: 食欲不振・元気消失
  • 症状2: 激しい嘔吐・下痢
  • 症状3: 脱水、衰弱、虚脱

 

初期は食欲がない、元気がないなど他の病気と判別がつきにくい症状が現れます。
もし、ワクチンを打っていない猫ちゃんに症状2や症状3のような症状が現れた時には、パルボウイルス感染を疑ったほうがよいでしょう。
特に、パルボウイルスが流行っている地域では体調不良を確認した時点で、獣医さんに診てもらうことをオススメします。

また、パルボウイルスの感染力は非常に強力です。
多頭買いをしている家庭で、もし1匹が感染すると適切な対処を行わないと、飼い猫がすべて死んでしまう最悪の結果に至ることもあります。
非常に危険なウイルスですので、対策法、予防法をしっかりと学ぶ必要があるのです。

パルボウイルスの感染経路

ウイルスに感染しそうな猫の画像
パルボウイルスは口から体内に入ることで感染します。
感染源として次のようなものに注意してください。

  • 感染した猫の便や吐物
  • 感染した猫が使っている食器・タオル・おもちゃ・ケージなど
  • 被毛
  • お世話をしている人の手や服

複数の猫を飼っている場合は他の猫にパルボウイルスが移らないように、部屋を隔離する等の対策が必要になります。

パルボウイルスに効果がある消毒液と消毒方法

ウイルスを消毒する画像
パルボウイルスは消毒薬に対する抵抗力が強い為、適当な消毒薬では殺菌効果が期待出来ません。
パルボウイルスを撃退する為には、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)を使いましょう。
台所の消毒や衣類の漂白などで使用するハイターやブリーチにも、次亜塩素酸ナトリウムが含まれます。

消毒の仕方・注意

【用意するもの】

  • 塩素系漂白剤(ハイターやブリーチ等)
  • 手袋
  • マスク
  • タオル等の拭くもの
  1. 塩素系漂白剤20㎖と水500㎖を混ぜて消毒液(※1)を作ります。塩素系を選んでください。
  2. 次亜塩素酸ナトリウムは消毒力が強いですが、便や吐物の上からかけても効果がありません。必ず便や吐物などをふき取ってから消毒してください。
  3. 食器、タオルなどは消毒液(※1)に1日漬けてから洗ってください。色物は漂白されますのでタオルなどは白いものを選ぶほうが良いでしょう。
  4. 塩素ガスが出て喉や眼の粘膜を刺激したり、手荒れの原因になります。濃度が高くならないように注意して、必ずマスク・手袋をつけてください。

お世話をするときの注意

パルボウイルスに感染した猫をお世話するときには次の点に注意してください。

  • お世話をするときには使い捨て手袋を使う
  • 吐いている時には水やフードはあげないようにしましょう。更に吐いてしまい脱水が悪化します。
  • 便や吐物はすぐに片づけ、1回ずつビニール袋に入れてください。
  • 排泄の度に消毒を行ってください。

他の猫にうつさないために注意すること

複数の猫を飼っている場合には、他の猫に感染が広がらないように以下の注意をしましょう。

  • パルボウイルスに感染した猫は部屋を分け、隔離してください。
  • パルボウイルスに感染した猫のお世話は最後にしてください。
  • 隔離した部屋の床は1日2回、扉の取っ手は部屋に出入りするたびに消毒してください。
  • 隔離した部屋の中ではスリッパを履き、消毒や処分してもよい服を着ましょう。スリッパや服は部屋の外には持ち出さないようにしてください。

パルボウイルス予防にはワクチン接種(予防接種)が一番!

注射される猫の画像
パルボウイルス感染を予防する方法はワクチン接種が一番です。
ワクチン接種をすると体内にパルボウイルスに対する抗体が作られます。
この抗体は、パルボウイルスが体の中に侵入してきた時にウイルスを攻撃し、感染を防いでくれます。。
ワクチンを打っていないと抗体がないために防御が遅れ、症状が重くなってしまいます。

3種以上の混合ワクチンには必ずといっていい程、パルボウイルスのワクチンが含まれています。

3種混合ワクチンとは
一般的な「猫の予防接種」と呼ばれる注射です。

ワクチンの接種についてわからない事は、獣医さんに尋ねてみましょう。
またワクチン接種の回数ですが、子猫の時期は免疫をしっかりつけるために1か月おきに2回ワクチン接種します。
それ以降は1年に1回の接種で十分です。

また、パルボウイルス感染の疑いがある時には動物病院で検査を受けることができます。
猫用のパルボウイルス検査キットは現在ありませんので、犬用のパルボウイルス検査キットで行います。
検査会社で検査することもできますが、結果が出るまでに時間がかかりますので、すぐに結果を知ることが出来る動物病院での検査がオススメです。

ワクチン接種や、検査にかかるお金

検査費用やワクチン代は動物病院によって異なります。
こちらでは相場を紹介しますので、詳しい料金については最寄りの動物病院へ問い合わせてみましょう。

【3種ワクチンの相場】            4000~5000円
【パルボウイルス検査(動物病院)】   3500~5000円
【パルボウイルス検査(検査会社)】   6000~8000円

猫カフェMOCHAでのパルボウイルス騒動

平成30年8月2日に猫カフェMOCHAでパルボウイルス感染が広がり数頭の猫が亡くなってしまいました。
様々な意見がありますが、今回の問題は「大丈夫であろうという油断」と「知識不足」が原因ではないかと考えます。

まず、猫カフェ内でパルボウイルス感染症をはじめとする感染症は、発症してから対処するのではなく発症しないように予防することが大切です。
おかしいと感じた猫を隔離することができ、適切に消毒すれば悲劇は最小限ですんだのではないかと思います。
定期的なワクチン接種していたかどうかも怪しい所ですね。

この事件をきっかけにパルボウイルスの危険性が以前よりも世間に広まりました。
大切な愛猫を守るためにも、予防接種を行い感染が広がらないように飼い主としての義務を果たしましょう。

 
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犬や猫の健康維持には、ドッグフード・キャットフードの見直しや、効果的なペットサプリを活用することが大切!
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犬と猫、そして飼い主さんの楽しいペットライフのために、これからも皆さんのお役に立てる記事を書いていきたいと思います。