あなたの飼っている猫の体型はどんな感じですか?
痩せ型?それとも肥満型?
猫の体型は人間とは大きく違うので、肥満体なのか痩せ型なのかわからないことがありますよね。
気が付いたらあなたが知らないうちに、肥満猫になっているかもしれません。
肥満猫は健康な猫よりも早死にする可能性が高いので、今回の記事で肥満の解決法を紹介したいと思います。
Contents
猫の肥満基準とは?
猫の肥満を判定するための基準は「理想体重」です。
理想体重とは、猫が生まれてから1年後の体重です。
猫は猫種によって変わりますが、大体生後1年を目安に成長が止まります。
(3,4年かけて成猫へと成長するメインクーン等の猫種は別途計算が必要)
成長が終わった時期の体重を基準として猫が痩せているのか、太っているのかを判断することが出来ます。
あなたの猫の体重は、理想体重と比べて重かったですか?軽かったですか?
猫が肥満体になってしまうと、早死にする可能性が高いので今のうちに猫の肥満を改善させる必要があります。
肥満の猫は健康猫よりも寿命が短い
「平成27年度 全国犬猫飼育実態調査」によると室内飼いの猫の平均寿命は約16歳ですが、肥満体になると平均寿命に届かずに早死にする可能性が高くなります。
具体的に何年寿命が縮まる、といったデータはまだ出ていませんが、肥満は様々な病気を引き起こします。
病気の症状や治療薬の副作用によって、体力が消耗され短命に繋がると予想する事が出来ます。
肥満によって発症確率が高くなる病気は以下の4つです。
- 椎間板ヘルニア
- 膝蓋骨脱臼
- 脂肪肝・肝硬変
- 心筋症
これらの病気を治すための手術に必要な「麻酔」でも猫の体に大きな負担をかけることとなります。
(死亡例もあります)
肥満が原因となり、発症確率が高くなるこれらの病気の症状に関しては以下の項目で詳しく解説しています。
椎間板ヘルニア
背骨の間に挟まっている椎間板(骨の間のクッションのようなもの)が潰れてしまい変形する病気です。
初期症状は軽度の痛みですが、椎間板の状態が悪化するにつれて痛みが強くなり歩き方や運動姿勢に変化が見られます。
肥満猫は、健康体の猫よりも体重が重いので背骨や椎間板への負担が増加することが原因となっています。
犬と比べると猫の椎間板ヘルニアの発祥疾患数は少ないのですが、肥満猫には発祥疾患数が増加傾向にある為注意が必要です。
(老猫が太っている場合には、関節が元々弱くなっているので更に注意が必要)
膝蓋骨脱臼
猫の膝のお皿の骨(膝蓋骨)が太ももの骨からずれてしまう病気です。
完全に外れた状態を脱臼、外れかけている状態を亜脱臼と呼びます。
脱臼した状態では足の可動が難しく、ぎこちない動きになります。(もちろん痛みも伴います)
軽度の症状であれば改善は早いのですが、肥満体の重い体重による負担が長期間続くと、重度症状が現れ治療に時間がかかります。
最も重い症状になると、「全く動かない」「足をひきずる」などの変化が見られます。
脂肪肝・肝硬変
脂肪肝は、肥満体の猫の体内に余っている脂肪が肝細胞の内部に入り込んだ状態を表します。
血液検査などを行っても、異常値が出ることが少なく無症状のまま状態が悪化します。
肝硬変は脂肪肝が進んだ状態であり、肝細胞が脂肪に変わった状態を表します。
肝臓を支えるための支持組織だけが残り、肝臓そのものが小さく委縮してしまい硬くなります。
末期状態になると回復は見込めません。
急性肝炎を患い、早期死亡も稀ではありません。
心筋症
多量の脂肪によって、全身に血液を送る心臓に負担がかかることによって発症する病気です。
無症状のまま状態が悪化し、最悪の場合発症後1,2日で死亡する病気です。
心筋症は肥満猫が最も警戒すべき病気です。
1度心筋症にかかると、完治する手段はありません。
その症状だけを改善する支持療法しか治療法がありません。
ボディコンディションスコアで猫の肥満状況を判断する
ここまで猫の肥満によって引き起こされる病気について紹介させて頂きました。
実際にあなたの飼っている猫が太っているのかどうかを判断する為に、ある基準を紹介させて頂きます。
基準の名前は、ボディコンディションスコア(BCS)です。
- 理想体重を基本とした体重
- 体脂肪率
- 骨格
- 体系
BCSはこれら4つの要素からBCSが構成されています。
脂肪が多いか少ないかの判断材料としての、骨格に関する判断ポイントも設けられています。
スコアに応じて、猫が太っているのか痩せているのかを判断することが出来ます。
BCS[1] 削痩
理想体重が85%以下の猫を表すスコアです。
体脂肪率は5%を下回っており、脂肪が殆ど無い状態です。
腹部の窪みが深く、上から見ると砂時計のような形をしています。
脂肪が非常に少ないので、容易に肋骨に触ることが出来ます。
体全体に触れると骨格の感覚が直接伝わるほど、脂肪が少ないことが特徴です。
BCS[2] 体重不足
理想体重が86~94%の猫を表すスコアです。
体脂肪率は6~14%と理想体重の猫と比べて低く、ごく薄い脂肪に覆われています。
上から見ると腰に目立ったくびれがあり、腹部も浅く窪む事が多いです。
脂肪の層が薄い為、簡単に肋骨に触れることが出来ます。
体全体に触れると腹部から腰に掛けて、窪んでいることがはっきりとわかります。
BCS[3] 理想体重
理想体重が95~106%の猫を表すスコアです。
体脂肪率は15~24%が目安となっています。
腹部は引き締まっており、脂肪に覆われている部分には適度なくびれがあります。
程よい脂肪分に覆われており、肋骨にも難なく触れることが出来ます。
体全体に触れるとなだらかな隆起を感じることが出来ますが、程よい脂肪によって骨格の感触が目立つことはありません。
BCS[4] 体重過剰
理想体重が107~122%の猫を表すスコアです。
体脂肪率は25~34%で、理想体重と比べ脂肪分が多い状態です。
腹部に丸みを帯びることが多く、腹部から腰に掛けてのくびれは殆どありません。
皮下脂肪が多い為、肋骨に触れることが難しいです。
理想体重と比べて厚みのある脂肪に包まれているので、骨格の感触よりもぶにぶにとした脂肪の感触が目立ちます。
BCS[5] 肥満
理想体重が123%以上の猫を表すスコアです。
体脂肪率は35%以上、厚く弾力のある脂肪に包まれています。
全体的に丸みを帯びており、一目見て「太っている」とわかる体格をしています。
厚い脂肪によって、肋骨に触ることが非常に困難です。
体感に至っては骨に触れるのが難しく、どの部位も脂肪に覆われている為、骨格の感触は殆どありません。
(参考:http://www.hills.co.jp/petlife/pdf/bcscat.pdf)
猫が肥満体になる原因

あなたの猫のボディコンディションスコアは何点でしたか?
BCSが4点、5点と肥満体だった飼い主さんは、自分の猫がなぜ太ってしまったのか原因を知る必要があります。
猫が太る原因として考えられるのは以下の3つです。
- 餌の与えすぎ
- キャットフードが適していない
- 運動量が少ない
これら3つの原因について以下の項目で詳しく紹介したいと思います。
餌の与えすぎ
一般的な肥満の原因「食べ過ぎ」です。
キャットフードの量が多くありませんか?
その猫に適したご飯の量を調節してあげないと、猫はどんどん太ってしまいます。
(元々運動量が少ない動物なので)
シンプルですが、肥満に直接つながる原因です。
思い当たる点がある飼い主さんは、愛猫のご飯の量を見直す必要があります。
キャットフードが適していない
幼いころからずっと同じキャットフードを与えていませんか?
一般的に、猫から1年間成長します。
著しく体格が変化する成長期には、成長が終わった猫よりも多量の栄養素が必要になります。
その為、子猫用のキャットフードは通常のキャットフードの2,3倍のカロリーが得られるように作られています。
「猫が気に入っているから」という理由で、子猫時代から同じ餌を与えている人は、高カロリーの子猫用キャットフードが肥満の原因になっていると考えられます。
運動量が少ない
あなたが飼っている猫は、運動量が少なくありませんか?
猫は元々運動量が多い動物ではありませんが、全く運動をしないと消費するカロリーを摂取するカロリーが上回ってしまい肥満に繋がってしまいます。
「最近猫と遊んでいない」
「うちの子はずっと寝ている」
猫の運動量が少ないと感じた方も、肥満改善の為に対策を講じる必要があります。
猫の肥満を解消する2つの解決策

猫の肥満の原因を知ることが出来たら、さっそく肥満体を解決させてあげましょう。
肥満体の改善に有効な2つの解決策を用意しました。
今すぐに実践出来るような簡単な方法ですが、愛猫を病気から守ることが出来るので必ず実践して下さい。
餌の種類と与える量を見直す
あなたの猫に与えている餌の種類と量を見直すことが肥満の改善に繋がります。
子猫用のキャットフードを与えているのであれば、成猫用のものに変更しましょう。
最初からキャットフードを全部入れ替えてしまうと、警戒して猫が食べてくれなります。
9:1→6:4→3:7→10:0 のように少しずつ変更するキャットフードの割合を増やして餌を移行しましょう。
ちなみに、猫に与える餌のカロリーは1kgにつき70~80kcalです。
肥満体の子は、カロリーを抑える必要があるので50~60kcalに調節します。
4kgの猫ちゃんであれば、1日200~240kcalです。
6kgの猫ちゃんであれば、1日300~360kcalです。
それぞれのご家庭によって、与えているキャットフードは違うのでカロリーに合わせて量を調整してあげましょう。
運動量を増やす
運動量が少ない猫は、運動をする猫よりも消費カロリーが少ないので太りやす傾向にあります。
運動量を増やすことで消費カロリーを増やす事が出来ますし、脂肪の燃焼にも繋がります。
積極的に愛猫が好きなおもちゃで遊んであげましょう。
肥満猫におすすめのキャットフード3選
あなたの猫に与えているキャットフードはいつもどこで販売していますか?
キャットフードの与えすぎは肥満体に繋がります。
その他にも質の悪いキャットフードや、消化が難しい材料を使ったキャットフードも肥満の原因となる事があります。
(市販キャットフードには病気にかかった動物の死骸などを材料に浸かっているメーカーが数件混じっていることがあります。)
そこで今回は、猫の消化器官に優しい質の高いキャットフードを3つ紹介したいと思います。
当サイトでも自信をもってオススメしているキャットフードなので、肥満体を改善させるためにも1度試してみてください。
シンプリーキャットフード

シンプリーキャットフードは累計販売数100万袋を突破している大人気のキャットフードです。
食いつき率が驚異の100%。
猫の消化に良いタンパク質を使って製造しています。
(サーモン、ニシン、マス)
体調を崩す原因となる穀物の配合量を減らすことで、猫の肥満を予防することが出来ます。
ジャガーキャットフード

血糖値が高くなる原因のでんぷん量を減らし、タンパク質の割合を増やしたキャットフードです。
腸内環境を整えてくれる成分が配合されているので、排泄を促進させ肥満を予防します。
肥満体でお通じが悪い猫ちゃんに是非!
カナガンキャットフード

様々なキャットフードの中で頂点に立っていると言っても過言ではない高級キャットフードです。
値段は高いのですが、国際規格をクリアした工場でのみ製造されているので安全面もバッチリです。
使用されている材料は、品質の良い物ばかりを集め猫の健康を維持する為だけに開発が続けられています。
タンパク質の配合量が高く、猫に不要な栄養素を一切使用していないので、量をしっかり調節することが出来れば肥満体改善への近道となります。
猫の肥満は今すぐ解決を!
今回は猫の肥満の原因、肥満によって引き起こされる病気について紹介させて頂きました。
解決策を実践することで、猫の肥満を早期改善することが出来ます。
知らないうちに病気が進行していたり、寿命が短くなることが肥満の怖い所です。
「食べている所が可愛いから」
「ご飯を頂戴とせがまれるから」
甘やかしたくなる気持ちはわかりますが、甘やかしてしまうと猫との時間が短くなってしまいます。
猫との時間を大切に過ごすためにも、今すぐに肥満も改善させましょう。